きょう、(小説 三好長慶)

近世のきのう、中世のあした。三好長慶の物語

2016-10-02から1日間の記事一覧

七 輪廻の段  ――三好長慶 恋を自覚し、芥川孫十郎 長慶に飯を振舞う――

七 輪廻の段 天文六年(1537年)の夏が近づいてきていた。京の細川屋敷、以前は荒れ果てていたこの屋敷もいまでは天下の政庁らしい絢爛豪華な館に生まれ変わっている。御所や公方が窮乏し、法華衆の寺院が焼き尽くされたいま、細川屋敷の輝きは群を抜いてい…