きょう、(小説 三好長慶)

近世のきのう、中世のあした。三好長慶の物語

2016-10-17から1日間の記事一覧

二十 先義後利の段  ――細川持隆 傾城小少将に惑い、田中与四郎 会合衆の投資を引き出し長慶を救う――

二十 先義後利の段 念願の元服である。 幼名の又四郎を捨て、新たな名乗りは十河一存だ。逞しく育った全身に燦々たる英気が漲る。 天文十五年(1546年)の正月、一存は義父存春や家臣たちの祝福に包まれ、前途洋々の思いだった。この十五年、四国衆は中央の…