きょう、(小説 三好長慶)

近世のきのう、中世のあした。三好長慶の物語

2016-10-29から1日間の記事一覧

二十六 ウツロの段  ――安宅冬康 江口城を陥落せしめ、三好宗三 命を全うし天に還る――

二十六 ウツロの段 宗三は、最後の最後で己を曲げた。六郎の家臣でいることよりも、人の父親であることを選んだのだ。 限界状況に入った宗渭と榎並城を見捨てることができなかった。姿を現した宗三が入城した江口城は榎並城の一支城に過ぎない。榎並城が充分…