きょう、(小説 三好長慶)

近世のきのう、中世のあした。三好長慶の物語

2016-11-01から1日間の記事一覧

二十九 蝉取の段  ――畠山高政 鬱憤を根来衆にぶつけ、足利義輝 長慶包囲網の結成を急ぐ――

二十九 蝉取の段 これまで見てきた中で一番の怒りようだった。 天文二十一年(1552年)の正月、義輝と長慶の和睦が成った。公方からは、偽りの和睦と聞いている。三好家を安堵させておいて、裏で大掛かりな謀略を描いているとのことだ。無論、なまなかのこと…