きょう、(小説 三好長慶)

近世のきのう、中世のあした。三好長慶の物語

2016-11-21から1日間の記事一覧

四十九 静謐の段  ――三好長慶 河内キリシタンを保護し、安宅冬康 兄の手で引導を渡される――

四十九 静謐の段 天下は静かだった。 ――静かの中には強い怒りが隠れている。三好長慶の存在が、かろうじて暴発を食い止めていた。 教興寺の合戦の後、六万以上に膨れ上がった三好軍はたちまち河内や大和に拡がっていた畠山方を駆逐してみせた。そして、その…