きょう、(小説 三好長慶)

近世のきのう、中世のあした。三好長慶の物語

2016-11-09から1日間の記事一覧

三十七 渦蜜の段  ――三好長慶 足利義輝の帰京を許し、細川六郎 抗戦と延命の狭間でもがく――

三十七 渦蜜の段 瓜生山を降りて、塗り輿で相国寺に向かう。 輿の周りは義賢が、それを取り囲むように長慶たちが供についている。長慶の気が変われば助かる術はない。一抹の不安はあったが、信用を失ってまで長慶が約束を反故にすることもないはずだった。 …