きょう、(小説 三好長慶)

近世のきのう、中世のあした。三好長慶の物語

2016-11-18から1日間の記事一覧

四十六 涅槃寂静の段  ――篠原長房 四国衆を糾合し、三好慶興 教興寺の決戦に向かう――

四十六 涅槃寂静の段 与四郎から贈られた沙羅はしっかりと根付いてくれていた。 長慶の私室からよく見える位置に植えたのは正解だったと思う。異国の風情を感じるこの樹は、どこか心の背骨を支えてくれるような心地がするのである。飯盛山から西を眺めること…