きょう、(小説 三好長慶)

近世のきのう、中世のあした。三好長慶の物語

2016-11-05から1日間の記事一覧

三十三 大空の段  ――三好長慶 元長二十五回忌を機に南宗寺を創建し、松永久秀 武将茶人として名を上げる――

三十三 大空の段 腹が減っていた。 盗みもやった。追剥もやった。そんなことに手を染めても暮らしは落ち着かないということを思い知った。 親しい配下も、頼もしき郎党も、慈しんだ豚たちもすべて置いてきた。しばらくは若狭の宗渭のところで世話になってい…